とことわのその ― 獣と絡まり蔦が這い ―【加筆修正版更新中】
「由紀ちゃん、どうしたの。こんなこと、いままでは」
「おかしい、じゃないですか。いつも、わたしだけが……脱がしてもらうのって。
だから。平等じゃ、ないから」
この状況に平等という言葉は、あまりにそぐわなかった。
だけど他にうまい理由も浮かばなかった。
ふっと笑った邑木さんが顔を寄せる。
「そうか。戻ってきて、よかったな」
眼鏡なしで交わす口づけは、遮るものがなにもなかった。
微かに揺れる睫毛の気配を、瞼で感じる。
上唇がほどけ、下唇が邑木さんを受け入れ、舌が溶けていく。
思考も視覚も、すぐに覚束なくなった。
衝動と理性と胸の高鳴りがぶつかり合って、理性だけがはらはらと剝がれ落ちる。
「あたらよって、こういうことなんだろうな」
ふっと微笑んだ邑木さんが呟いた。
「あたら、よ?」
「そう。あたらよ」
「どういう意味ですか」
邑木さんはやっぱりふっと微笑み、質問に答える代わりに、今夜もわたしをくたくたにとろけさせた。
「おかしい、じゃないですか。いつも、わたしだけが……脱がしてもらうのって。
だから。平等じゃ、ないから」
この状況に平等という言葉は、あまりにそぐわなかった。
だけど他にうまい理由も浮かばなかった。
ふっと笑った邑木さんが顔を寄せる。
「そうか。戻ってきて、よかったな」
眼鏡なしで交わす口づけは、遮るものがなにもなかった。
微かに揺れる睫毛の気配を、瞼で感じる。
上唇がほどけ、下唇が邑木さんを受け入れ、舌が溶けていく。
思考も視覚も、すぐに覚束なくなった。
衝動と理性と胸の高鳴りがぶつかり合って、理性だけがはらはらと剝がれ落ちる。
「あたらよって、こういうことなんだろうな」
ふっと微笑んだ邑木さんが呟いた。
「あたら、よ?」
「そう。あたらよ」
「どういう意味ですか」
邑木さんはやっぱりふっと微笑み、質問に答える代わりに、今夜もわたしをくたくたにとろけさせた。