君と二人でいられること。
体育祭優勝は私たち3組だったが、MVCは鮫上・倉下ペアに持っていかれてしまった。

「大丈夫。指輪くらい買ってやっから」

私がうらやましく感じているのが分かったのか、夏也くんがそんなことを言ってくれた。

「でも、いいの?」

「別に」

そう言って夏也くんは顔をそむけた。

今ならわかる。この仕草は、彼なりの照れ隠しだって。

そのあと鮫上・倉下ペアはひと悶着あったようだが、いつの間にか解決していた。
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