君と二人でいられること。
世界から音が消えたかのように頭が真っ白になって、すぐに否定することができずにいた。

「それ、どういうこと?」

しばらくしてから聞こえた夏也くんのこの言葉のせいで、何もかもを失ったはずの私の心を黒い感情が蝕んでいった。

なんで?なんでなの?

「どうして信じてくれないの?」

考える前に口は動いていた。

気づけば、頬を温かいものが伝って零れ落ちていた。

「え、春香?」

夏也くんに顔を覗き込まれて、一気に現実に引き戻された私は、夏也くんの言葉をすべて聞く前に走り出していた。
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