君と二人でいられること。
「私、ずっと寂しかった。秋菜にいじめられて、ずっと一人で、」

そこから私の口は止まらず、これまでの全てをいっぺんに話して見せた。

私が話している間、夏也くんはずっと静かに相づちを打ちながら聞いてくれていた。

「信じてほしかったんだ。一人に、なりたくなかったから」

最後のこの一言を言った瞬間、私の唇に夏也くんの唇が触れた。

あの時とは違う、しょっぱい味のするあったかいキス。それはまるで、夏也くんの心を表すかのように、本当に優しいものだった。

離れた後、夏也くんは私を見つめ、改まったように口を開いた。

「お前には俺がいる。俺にはお前がいる。この指輪は、二人で一つって証だろ？」

これを聞いた時、私は再認識させられたことがある。それは、この人が好きだってこと。

「愛してる」

「え？」

消えそうな声で、でも確かにそう言った。

彼は、顔を赤く染めたままそっぽを向いていた。

きっと、私も彼以上に顔を赤く染めている。でも、そんなの気にならないほど目の前の彼が愛おしくて仕方がなかった。
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