双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました
その彼を葵は呼び止めようとする。あのことについて話をしたいから時間を作って欲しいと言うためである。

一緒に住むならば、話しておかなくてはならないだろう。

でも彼のあまりにも嬉しそうな姿に、口を閉じた。

明日でいいかという気分になる。明日はふたりともまる一日休みだから、時間はたっぷりある。

「今日はとりあえず和室に布団を敷こうか? 和室が一番暖かいんだ」

そう言って振り返る晃介に、葵は笑みを浮かべて立ち上がった。

「うん、私やるね」

その後、晃介と家中を探検した子供たちは、和室に敷かれた布団に飛び込みごろごろ転がりうとうとしたかと思うとそのまま寝てしまった。

昼間はいつも通り保育園に行ってその後直接このマンションへ来たのだから疲れていたのだろう。

本当はお風呂に入れたいところだったが、今日は諦めることにして、葵は彼が運んでくれた荷物の整理をした。

その間、晃介がシャワーを浴びだ。

次に葵がシャワーを浴びて、脱衣所でパジャマを着たところへドライヤーを手にした晃介が入ってきた。

その姿を見ただけで胸の鼓動がどくんと跳ねて、頬が熱くなっていく。

その恥ずかしい自分自身の反応をごまかすように葵は口を開いた。

「あ、ドライヤーも持ってきてくれたんだ」

「ああ、これは絶対、だろ?」
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