双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました
——恥ずかしくてたまらない。
——でもその先が早くほしい。

相反するふたつ思いが頭の中をぐるぐる回る。

葵を跨ぎ膝立ちになった晃介が、熱を帯びた眼差しで感嘆のため息をついた。

「葵……。綺麗だ。会えない間、何度も想像したけど実物は比べものにならないな。また見られるなんて、夢の中にいるみたいだ」

「そ、そんな……。私の身体、あの子たちを生んだから、跡が残ったところがあって……」

双子の出産は、小柄な葵の身体にとって過酷だった。

一年半たっても完全には戻らなくて、跡が残ってしまっている。

恥ずかしい場所のすぐ近くにあるその箇所を、葵は一生懸命両手で隠す。

晃介がそこへ視線を移す。

「晃介、あのあまり見ないでほしいの……」

電気をつけていない寝室は薄暗い。

でも窓の外に広がる煌びやかな夜景が、彼の瞳に葵の変化を映してしまう。

「綺麗だよ」

 晃介がとろけるような言葉を吐いた。

「あの子たちを生んでくれた君の身体は、俺にとって宝物だ。……その手をどけて見せてくれ。君の一番綺麗な場所を」

「つっ……! そんな……」

「ほら早く、俺にそこを愛させて」

唇を噛み、吐息が漏れそうになるのを堪えながら葵はゆっくりと手を離す。
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