双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました
二年半前、血を吐く思いで手放した。

再び触れることができるなんて、現実とは思えない。 

「夢みたいで……」

溢れる涙を止められなくて両手で顔を覆った。

「俺もだよ」

温かい声音で彼は答える。涙に濡れる葵の手を取り、指を絡めて口づけた。

「葵のいないこのベッドで、何度も俺は頭の中で君を抱いた。目が覚めたら、またいなくなるんじゃないかと怯えている」

彼の言葉に葵の胸が締め付けられる。

会えない夜の切なさは、葵にも嫌というほどよくわかる。

「晃介……私、ここにいる。どこへもいかない」

溢れる涙を拭うこともせずに葵は彼に約束する。もう、ぜったいに彼のそばを離れない。
晃介が微笑んだ。

「ああ、この温かさは夢じゃない」

そう言ってゆっくりと動きだす。

二年半ぶりの彼のリズムと、汗ばむ身体を愛おしむように這いまわる大きな手が葵を幸せな世界へと昇らせる。

「あ、あ、あ」

「つっ……この声も本物の葵だ。だけどまだ足りない、もっと実感させてくれ。……こうやって」

互いの存在を確かめ合うように、深く愛し合うふたりの影が、煌びやかな夜景に浮かんでいた。
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