双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました
どあっぷで画面を陣取る双子の隙間から、どうにかこうにか画面を覗き、葵が彼に問いかける。

晃介が頷いた。

《ああ、めちゃくちゃ寒いよ》

「忙しいとは思うけど食事はちゃんととってね」
 
そばにいないと、ついつい口うるさくなってしまう。

忙しい彼は普段の食事をおろそかにしがちだ。

「栄養ドリンクはダメだからね!」
 
そんな葵に晃介が柔らかく微笑んだ。
《寮にレストランが併設されてるから食事もちゃん食べてるよ。でもそろそろ日本食が恋しくなったう来たよ。葵の鍋焼きうどんが食べたい》
 
どこか甘い響きを帯びた言葉に嬉しくて葵は頬を染めた。

「帰ってきたら作るね」

《楽しみだ。そっちはどう? 変わりない? 保育園が遠くなったのに、なにもかもひとりでさせて申し訳ない》
 
晃介のマンションに引っ越してきたことで、保育園も職場も徒歩圏内ではなくなった。不便といえば不便だが、車で移動するようになったから、安全だ。
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