双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました
遠くで子供たちがきゃっきゃと騒いでいる声を聞いて葵は寝返りを打つ。少し冷たいシーツの感触が心地よかった。

子供たちが起きたのなら、もう起きなくてはと思うけれど、眠くてまだ目が開かなかった。
 
やっぱり昨夜の晃介は、あまり手加減をしてくれなかった。
 
正確な時間までは覚えていないけれど、葵はこのベッドで長い間、彼に愛された。
 
幸せな時間だったことは確かだけれど、もう一度シャワーを浴びてこの部屋で晃介に髪を乾かしてもらいながら、子供たちのところへ行かなくてはと思ったのを最後に記憶が途切れてしまっている。
 
やっぱり子供たちの部屋までは行けずにここで寝てしまったのだ。
 
それにしても。
 
子供たちの声に、晃介の声が混じっていることには、感心してしまう。

彼だって葵と同じかその後に寝たはずなのに、どうしてスッキリ起きられるのだろう。
 
葵の方はまだこんなに眠たいのに……。
 
そんなことを思いながら枕に頬ずりをしていると、そっとドアが開く気配がする。

「まんま?」

 悠馬が母の様子を見に来たのだ。晃介から葵はここにいると聞いたのだろう。
< 186 / 188 >

この作品をシェア

pagetop