双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました
仕事と育児、それから今週は晴馬の通院もあったから疲労困憊の一週間だった。

だから本当なら彼の申し出はとってもありがたい。

でもそれを素直に受け入れるわけにいかなくて、葵は別の角度から理由をつける。

「簡単じゃない。……そうか、それはそうだろうな」

晃介は、葵の言葉に素直に頷いている。

葵の意見を最大限尊重すると言った言葉を実行してくれているのだろう。

そこへ畳み掛けるように葵は言う。

「まだ慣れない人に面倒をみてもらうなんて、ふたりは戸惑うだろうし……。無理させるわけにも……」

とそこで、晃介がなにかに気がついたように葵の足もとに視線を向ける。

「お!」と言ってにっこりとした。

「起きてるのか。おはよう」

いつのまにか双子が玄関まできてしまっている。

彼の顔を見るのは三回目になる晴馬が「おー! おー!」と指差して裸足のまま、彼の足もとへ出ていった。

「あ、はるくん!」

晴馬より慎重な性格の悠馬の方は、ドアの内側にいるが、晴馬と同じように「おー! おー!」と言って晃介を指差している。

「もしかして、覚えてくれてるのか? えらいなぁ」
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