双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました
「一生秘密にしてほしいと言うならそれでもいい。その逆で公にしてほしいと言うならばそうしよう。……すべてのタイミングを君とこの子たちに委ねる」

まさかそんなことありえないと、葵は思う。

彼は、葵がそうしてほしいと言ったら一生秘密にしたまま、双子への責任を果たし続けるというのだ。

「晃介……」

「約束する。君がいいと言うまでは絶対に誰にも言わないよ」

力強く言い切って晃介はまた双子に視線を戻す。

「晴馬、お前本当に食べるのが早いなぁ」

「あ、うー!」

葵は返事もできないままに、その姿をジッと見つめた。

きっと、さっきの葵からの問いかけに、葵が周りに知られることを恐れていると察したのだ。

ならばそうすると彼は約束してくれた。しかも理由も聞かないで……。

『晃介を信じてみるか?』

白河大介の言葉が頭に浮かんだ。

あの日あの時に戻ったとしてもやっぱり自分は頷かないだろう。

でももし、今、同じことを聞かれたら……?
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