双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました
するとそれを見ていた晃介が噴き出した。悠馬の口にうどんを運びながら、くっくと笑っている。

葵は首を傾げた。

「晃介？　どうしたの？」

「いや、変わらないなぁと思って。そうやって口に出して頭にインプットさせるとこ」

そしてまた笑っている。

葵は口を尖らせた。

「こ、こういうくせは簡単には変わらないよ」

「みたいだな。今の病院ではどうしてるんだ？　前みたいに屋上で？」

「い、今の病院は屋上は閉鎖されてるから……庭の隅っこのベンチで」

そう言うと晃介がまたはははと笑う。楽しそうな父親に双子が不思議そうに目をパチパチとした。

「でも、私だってもう新人ってわけじゃないから前よりは少なくなったのよ」

からかわれているのだと思い葵はぷりぷりして言い返す。またテーブルに座ってうどんを食べた。

でもそこで彼が。

「ならよかった。俺みたいなやつが、話しかけてくるかもしれないから気をつけて」

なんて言うものだから、噴き出しそうになってしまう。胸をトントンとしてからお茶を飲んだ。

ふたりが話をするようになったきっかけを彷彿とさせられる言葉だった。

「そ、そんな人いないよ」

「そう？　でも俺は心配だ。葵、可愛いから」

「なっ……！」
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