双子を極秘出産したら、エリート外科医の容赦ない溺愛に包まれました
「晃介……?」

「……君が」

晃介が、低い声で囁いた。射抜くような視線が、葵を見つめている。

「君が、なにかを抱えているのは知っている。……その秘密がふたりを引き裂いたものの正体だ」

その言葉に、葵は言葉もなく目を見開いた。

葵が秘密を抱えていることに彼が気づいているとは思っていた。でもそれを彼が口にするのははじめてのことだった。

「それがなんだとしても、俺が解決してみせる。なにがあっても俺は君たち三人を守る」

「晃介……」

彼の決意が胸を刺した。

自分たちを引き裂いた得体の知れないものへの怒り、沈黙する葵への不信感。

なにもかもを飲み込んで、それでも彼は言い切るのだ。葵たち親子を守ってみせると。

「すぐに言ってくれとは言わない。君のことだ、よほどのことがあったのだろう。でもこれだけは覚えていてくれ。なにがあっても、俺は君の味方だ」

近づく彼の唇に、葵は両手で彼の胸を押す。

「ダメ、そんなの私が自分を許せない……! あなたに申し訳なくて……」

愛していると言いながら、彼を信じられなかった。
 
本当のところ葵が一番こだわっているのは、そこなのかもしれないと今思う。

あの時、逃げないで問題と向き合っていれば、家族四人、今とは違う道を歩めたかもしれないのだ。
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