純×恋(じゅんれん)
(やっと,4日)
純はこの課題が,こんなに堪えるなんて思ってもいなかった。
教室も折角同じなのに,話すこともままならない。
純と交換された恋のペアは,去年もおんなじクラスであった,背の低い,ギャルっぽく活発な可愛い女の子。
純はその姿を思い浮かべては,ざわざわと心を揺らがしていた。
「きいとちゃん」
「なんですか? 遥くん」
かく言う純のペアもまた,クラス内で見てもとても明るい性格をしている。
純は何の怨みもないのに,はるかの前では自然に振る舞えない事を申し訳なく思っていた。
「あと半分だね」
ドキッとして,頬が強張る。
「そんな顔してた」
どんな顔だろう。
遥は言いながら苦笑している。
純はまた,遥のその表情を見て困った顔になった。
純は決して,遥が嫌いなわけではない。
だけどつい,きいとと柔らかく呼ぶのは,恋であって欲しいと思ってしまうのだ。
ごめんなさいと弁解しようとしても,自分の中に見つかる言葉はやはり無い。
「"熟年夫婦",でも,ヤキモチ妬いたりするんだ」
懐かしいあだ名だと思う。
ただ,ヤキモチなんて単語には一切聞き覚えがなかった。
「誰がですか?」
目を見開いて訊ねると,相手も同じ顔をする。
「え? きいとちゃん,鰻田がうちのまゆゆと居るの,心配で仕方ないんでしょ?」
「そ,そうなのでしょうか…」
恋のペアとなった真優。
確かに2人を見ていて,もやもやとする気持ちは純の中にある。
けれど,それがそうであるかと聞かれれば……
ぽぽぽと,純の頬が染まっていく。
(ヤキモチ? これが……?)
そんな純を見て,遥はにこりと危うげに笑った。
純はこの課題が,こんなに堪えるなんて思ってもいなかった。
教室も折角同じなのに,話すこともままならない。
純と交換された恋のペアは,去年もおんなじクラスであった,背の低い,ギャルっぽく活発な可愛い女の子。
純はその姿を思い浮かべては,ざわざわと心を揺らがしていた。
「きいとちゃん」
「なんですか? 遥くん」
かく言う純のペアもまた,クラス内で見てもとても明るい性格をしている。
純は何の怨みもないのに,はるかの前では自然に振る舞えない事を申し訳なく思っていた。
「あと半分だね」
ドキッとして,頬が強張る。
「そんな顔してた」
どんな顔だろう。
遥は言いながら苦笑している。
純はまた,遥のその表情を見て困った顔になった。
純は決して,遥が嫌いなわけではない。
だけどつい,きいとと柔らかく呼ぶのは,恋であって欲しいと思ってしまうのだ。
ごめんなさいと弁解しようとしても,自分の中に見つかる言葉はやはり無い。
「"熟年夫婦",でも,ヤキモチ妬いたりするんだ」
懐かしいあだ名だと思う。
ただ,ヤキモチなんて単語には一切聞き覚えがなかった。
「誰がですか?」
目を見開いて訊ねると,相手も同じ顔をする。
「え? きいとちゃん,鰻田がうちのまゆゆと居るの,心配で仕方ないんでしょ?」
「そ,そうなのでしょうか…」
恋のペアとなった真優。
確かに2人を見ていて,もやもやとする気持ちは純の中にある。
けれど,それがそうであるかと聞かれれば……
ぽぽぽと,純の頬が染まっていく。
(ヤキモチ? これが……?)
そんな純を見て,遥はにこりと危うげに笑った。