勇者の幼なじみ

あなたにあげる

 一度、離れた唇はすぐに戻ってきて、何度も口づけられる。
 そのうち、触れている時間が長くなり、舌が入ってきて、私の口の中を探るようになった。
 息が苦しくなってきて、セフィルの唇が少し離れたすきに制止した。

「ま、待って……!」
「待たない。お前が言いつけを破るからいけないんだ!」
「でも……」
「もう黙れ」

 そう言って、セフィルは私の唇を塞いだ。自分のもので。
 セフィルは今度は私の舌を絡め取って自分のものを擦りつけるようにした。
 ぴちゃぴちゃと恥ずかしい音がして、頭がボーッとする。

 黙れと言ったわりに、セフィルはしばらくして口を離すと、真剣な目で私を見下ろし、聞いてきた。

「純潔をくれるんだろ?」
「うん」 
「……お前、俺のこと、好きだろ?」
「…………」

 急に聞かれて、息を呑む。
 答えられなかった。
 どちらがセフィルの望む正解かわからなかったから。
 セフィルは目を細めて睨んでくる。

「まさか他に好きなやつ、できたのか!?」
「ん~ん、そんな人いないよ」

 ほっとした顔をして、セフィルはまたキスをした。

「じゃあ、いいな?」

 なにが……と聞く前に、セフィルは私にキスしながら、服を脱がしていった。



「ん~、ゃっ、あんっ……」

 裸にされた私は、セフィルに全身を撫でられ、胸を揉まれ、その先端を摘まれ、嬌声をあげていた。
 こんなヘンな声を出してたら、セフィルに嫌われるかもと涙目で彼を見上げると、熱を宿して色濃くなった瞳が私を見ていて、口角があがっていた。
 色気が滴るセフィルの顔に、下腹部がズクンと疼いた。

「やらしい声」

 笑いを含みながら告げられた言葉に頬が熱くなる。
 
「だって……はぅっ!」

 反論しようとしたところに、かぷっと胸の先を食べられた。
 そのまま、舌先で乳首をペロペロ舐められて、声をあげて腰を揺らしてしまう。
 脚の間から、なにかがとろりと滴った。

(なに? 粗相しちゃった?)

 慌てて、脚の間をぴっちり閉めたのに、セフィルは自分の膝をねじ込み、手をそこに這わせた。

「あっ、ダメッ!」

 止めようとするも、セフィルは指で割れ目を上下に撫でた。くちゅっと淫らな音がした。
 
「あ、ああん!」

 初めて感じる痺れのような快感に、腰が浮いた。
 
(純潔をあげるってこういうことをするの?)

 私に必要ない知識だと思っていたけど、もっと友達に聞いておけばよかった。
 そんなことを考えていると、セフィルの指が今度は私の中に入ってきた。


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