世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 そのお手伝いさん達も長年色々と義妹にいびられたのだろうか、はいはい仕方ないですねと言わんばかりにやってきた。
 お手伝いさん達は皆長年呉松家に通っているそうで、義妹のワガママに振り回され続けた。
 結婚前の手料理は全てお手伝いさん達が作ったのをタッパーにして持っていっただけ。

 ――あのお嬢様は見栄張りでプライド高いんですよ。とにかく自分が損するのは嫌だから、他人にやらせて美味しいところだけ取っていく。虚栄心の塊です。あの年で可愛らしさをキープしているのは素晴らしいと思います。でもそれは悠真さんや周りの人の犠牲で成り立っているんです。

 ――外は立派だけど、中身は薄っぺらい。よく言えば少女心を忘れない。悪く言えばいつまでもメンタルが女子中学生レベル。それに拍車をかけてるのが、奥様の存在です。
 奥様はお嬢様をそりゃもう甘やかして、良輔坊ちゃんと静華お嬢様と態度違いますから……ご自分に似ているからでしょうかね。
 強いて言うなら、親離れ出来ないまま、呉松家から依田家にうつっただけです。

 ――昔っから学校でトラブルを起こしては、奥様と旦那様が頭下げていました。
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