世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
「ここは地域でも安くできるだけ高品質を目指しています。だから極端にひどい野菜や果物が来ることはないんです。ちなみにここの商品は、社員割引で買うことが出来ます」
 社員割引という単語に反応する結花はちょっとラッキーだと心躍る。
 お金が少ないし、カードは使えなくなった。
 しかし月1回悠真が10万の生活費を送るということで、なんとかするように努力する。
 スーパーの惣菜はあんまり買ったことがないので、これを機に食べてみようか。
「で、太刀川さんと小野田さんがやっているのはみかんの袋詰めですね。今の時期必須アイテムですから。で、段ボールからだしてだいたい5個ぐらいに袋詰めするんです」
 ピーク時に合わせて準備しているのだろう。
「じゃあ、みかんの袋詰めやってみますか」
 太刀川と小野田は手慣れた様子なのか、手際よく詰めていく。
 結花も福島にやり方を教わるが……。
 なにこれ? どうやってやるの?! 全然上手く封できないんだけど!
 うまく詰められないのか、みかんを入れた袋が破ける。
「ゆいちゃん、入れすぎよー! じゃあ、わあしと交代して。みかん取り出してくれる? 5個ずつね!」
 適当にみかんを入れていくが、福島に適当に入れるんじゃなくて、状態を見て欲しいと言われる。
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