世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
「いいわよー。ゆいちゃん、やってみよう」
 結花は塩浦と福島に挟まれる形で教わる。
 あえて女性の間に挟まってやってもらうように野崎から言われているからだ。極力男性の近くでやらせない。
 要領はみかんと同じだが、今度は2個ずつだ。
「じゃぁ、袋詰めされたものを段ボールにいれていきます」
 さつまいとみかんとそれぞれ段ボールに仕分けして台車に積んでいく。
 段ボールが積まれた台車を福島が押していくのを、結花もついて行くように言われた。一緒に塩浦も来る。
 店内は開店したばかりで人がまばらだ。
 レジも11台あるうち5台は通常タイプだが、1台しか開いていない。あと6台はセルフレジだ。そこは立ち入らないように仕切りが敷かれている。
「依田さん、段ボールに入れたさつまいもをこちらに置いていってください。この時期買うかた多いので、できるだけたくさん置いてください」
 福島と塩浦のやりかたを真似ながら、結花もおいていく。
「もう少しスピードあげてください。あと、商品が落ちないように置き方も考えてください」
 そんなこといわれてもー! やったことないもん!
 なんか疲れた。もう家帰りたい。働きたくない!
 さつまいもを終えると今度はみかんだ。
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