世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 しかし全然状況は変わらず、相川は結花を見ると最初の頃以上に距離を置いたり、かち合わないようにしていた。
 着替えてきた結花は懲りずにかっちゃーんとベタベタ触る。
 席を移動してもこの調子だ。
 早く誰か来てくれと祈っているうちに、徐々にバックヤードの休憩スペースに人が増えていく。
 結花は若い男性スタッフ達に相川と同じように、ベタベタ触る。
 若い男性スタッフ達は結花と距離おくか、慣れてきたのかからかっている人と分かれていた。
 からかっている人達は大学生スタッフ2人。
「ゆいちゃん今日もかわいねー」
「かわいーのは当然よ! もっと言って!」
「店長とか福島にいじめられてない? あの2人うざいからな」
「そうなのぉー、ゆいちゃんにいじめてくるのー」
 大学生スタッフ2人のうち、がたいがいい方に泣きつく。
 長身で華奢で茶色い髪型のスタッフが結花の頭をなでる。
「もしなにかされたら、俺たちがするから」
「俺も店長嫌いだからぶっ飛ばすよ。今日は誰くるの?」 
「かっちゃんと太刀川のおばちゃんと春日って女」
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