世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 女性スタッフのみだと押しつけてのんきに菓子パンを食べている。家で食べてこなかったからと。
 いつもギリギリの時間でやってくるので、野崎や他のスタッフが注意している。
『可愛さキープのために1時間以上かかるんだから仕方ないでしょ。女性のみんななら分かるでしょ』
『これでも急いでた方なんですぅ』
 急いでたという割には、髪はゆるふわパーマ、派手な化粧と服装。歩きにくいヒールでやってくる。
 今から仕事しますではなく、遊びに行きますな格好だ。通勤スタイルとはいえ、露出が激しいので周りはかなり気を遣っている。
 朝礼も人の話を聞かずにのんきにお気に入りの男性の方へ視線を向けている。ひどい時はスマホを触っている。
 それもメモ帳代わりなんですと言いながら私用でSNSの投稿をしている。
 店長である野崎はじめ、同僚達である相川や春日やおばちゃん3人衆も、厳しく言っても反抗的なので、最近は諦めているところがある。
 結花の勤務態度は他の部門にも当然広まっており、休憩時は距離を取られている。
 彼らも結花のマウントのターゲットとなっているからだ。
 必要以外話しかけないスタンスを取っているものの、結花は男性スタッフに絡むので、それを止めるのが女性陣だ。
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