世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 自分が「最後まで」責任もつか。
 娘の心情や過去の行いのことを考えたら、因果応報しっかり受けて欲しい気持ちがある。妻に天罰下って欲しいと願ってる人間が少なからずいる。でもどこかで、どうすれば妻が全うになれる方法はないか、家族上手くいく方法があるはずだと鬩ぎあう。後者は所詮お花畑な考えに過ぎない。

「――こんな母親、陽鞠に悪影響だ。出て行け」
 もしかして、間接的に娘を落ちぶれるような、素行不良の子にさせるつもりなのか?
 短く告げた言葉に結花は「なんで?」と繰り返す。
「数ヶ月やってきたけど、やっぱり前と変わってないじゃないか。言い方も考え方も」
「ゆいちゃんは世界一可愛いから、男の友達が多いの! ほっとかないんだって! それを分かった上で結婚したんでしょ! いまさらごちゃごちゃうるさいわね」
「これを書いてもらうから」
 悠真は結花のわめき声を無視して鞄から紙を取り出した。
 その瞬間、結花は紙をくしゃくしゃにして悠真に投げつける。
「絶対嫌! ただでさえ嫌いなあんたの親達と一緒に《《住んであげてる》》んだからさー。いい加減あいつら追い出してくれる? いちいち生活態度や言葉遣いに口だししてきてうざいんだよねぇー。家でも外でも周りが姑みたいな連中ばっかじゃん」
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