世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 このままどうやって生きていったらいいの?
 慰謝料のこともあるし、仕事ないし、かと言って働きたくないし……パパにお願いしようかな?!
 結花は近所の公園に移動して、パパ活をした人達に電話をするが、悉《ことごと》く断られ続ける。
 そんな中唯一1晩だけならと言ってくれたパパがいた。昼間に相手してくれた人。
 場所は高宮台《たかみやだい》という春の台から更に東側にある住宅街。
 パパこと瀬ノ上雅史(せのうえまさし)さんが、現状を話すと今いる公園まで迎えに来てくれた。だいたい1時間で着いたと。
 瀬ノ上さんの家は高宮台駅から少し離れたところで、周りは大きな家が多い。
 ここがうちだよと指さしたのは、一際目立つ日本家屋(かおく)
 立派な門構えに迎えられ、今日はみんないないからとすきに使ってと洋室に案内された。
 部屋はアンティークな家具だらけで、思わず目を輝かせる。
 よし、これであわよくばここの息子と結婚すれば……また裕福な家の妻になれる。皆が思ってるような結末にはならない。
 話を聞いてくれた瀬ノ上さんは、しばらくいていいよと言ってくれた。
 今日は遅いから早く寝なさいと。
 喜んでいたら、災難は朝3日目の朝にやってきた。
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