世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
「正直そこまで世間知らずな人初めて見ました。義理の家族にため口っていますかね? 例えば本当に仲良くやってるのならともかく、私達は全くそうじゃないし、一方的に敵意むき出しで見下した言動するので、とてもじゃないけど、気分悪いです。瀬ノ上さんとこにいたときも、陰では仕事さぼったり、ちょくちょく反抗していたそうです」
「――はっきり言って"ハズレ嫁"ですね。厳しくせっしても、被害者になるので、正直私達は付き合いきれません」
 
 スタッフ達も聞いていくうちに同情したくなる顔をしていた。

「彼女、実家が呉松家で、そこの末娘です。先ほどお話ししたお兄さんとお姉さんがいらっしゃるんですが、かなり仲悪いです。彼女は昔お姉さんの彼氏と関係を持って、仲がこじれて連絡してない関係です。絶縁状態。関わりたくないんでしょう。それで、いかに実家が素晴らしいか話しますが、今となっては昔の話。若い方には名前を言われてもピンとこないんです」
 スタッフの1人が「家の名前で威張ってるってことですか」と尋ねる。
「まぁ、そういうことになります。諸悪の根源である、彼女のお母さんも昔から性格悪いことで有名でしたし、その血を受け継いでるのでしょう」
 登美子はバサッと切り捨てるような口調で答えた。
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