世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 それが何? 見た目ぶっさいくで、真面目さしかないから、嫉妬してるんでしょ。

「お母さんのことは教えない。会ったらろくなことにならんからな」
 明博は強い口調で制止する。
「いやだ! おかーさんにあいたいー! ゆいちゃんいなくって、寂しいでしょ? ねぇ、どこなの?!」

 こんなに粘っても父が突き放すってなによ?
 いつもならあっさり言うこと聞いてくれるのに。
 そんなにお母さんヤバいとか?
 それならとっくに言ってるよね? クソ兄が冠婚葬祭だけ連絡するって言ってたし。
 
 キャンキャン甲高く騒ぐ結花に良輔も明博も思わず耳を塞いだ。
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