世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
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11月下旬なのに、北風がピープー吹いている。
依田悠真はスマホの通知音で目が覚めた。
昼間ということもあり電気をつけていなかったが、暗くなりすぎてテレビだけがついている。
通販番組で最新の家電の紹介がされていた。
さっきまで医療ドラマの再放送がやっていたが、悠真は物語の中盤ぐらいで寝てしまった。
「あ、やば、めっちゃ寝てた」
こたつの上で寝るとなんでこんな罪悪感が出てくるのだろう。
テレビでは秋が深まった云々と言っていたが、すっ飛ばしてここのところ寒い。
寒いのは昔から苦手だ。
前職がスーパーということもあり、朝早くから出勤しないといけない。
出勤の時間帯に近所のバスが走ってないので、冷たい刃に当たりながらバイクで職場まで通っていた。
防寒着は重いわ、手はかじかむわ、顔は冷たいので、職場に着いたらすぐに暖房が着いている事務所で暖を取っていた。
今は早く行く必要もないし、在宅を中心にした勤務が多い。こたつから出なくて済む。
「俺もだらしくなったなぁ……」
体型がではなく、メリハリのある生活がたまに出来なくなる。
以前の悠真は休み時だろうが平日だろうが、家族のためにということで奔走していた。