世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 大きな大会に出た時に、私の写真が出回って、ネットのまとめサイトに、容姿の品評だ性的なことを示唆する投稿があると、先輩が教えてくれた。
 私が卒業した高校のクイズ研究部はSNSを運営していて、投稿に対して、悪質なものが増えてきたから。
 私も多少投稿するが、ほとんど顧問や部長だった。
 今まで過去にいた女性の先輩も、同じようなことをされていると言っていた。

 私は一部の心のない人達によって”珍獣”扱いにされていた。そして、男好きの汚名をつけられた。
 顧問も私や部活への悪質な嫌がらせを見過ごせず、警察に相談をして、数人しょっ引いた。
 大会で少し一緒になった人だったり、本当に面識のない人だったり様々。性別年齢もバラバラだ。
 部活のアカウントが、クイズ界隈でのコミュニテイで、名前が広まったのがきっかけだ。

 気づかないうちに有名人になっていたのも怖いが、男好きという汚名を着せられたのがなにより悔しかった。
 将来、あの人のようになると言った人達に知られて「ほら、やっぱりね」って言われるのが想像できた。それが悔しかった。
 自分がなにかやらかしたら、巻き込まれたら、あの人を引き合いにして喜ぶ人間がいる以上、私は人一倍、品行方正(ひんこうほうせい)、真面目に生きてきた。
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