世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
『結婚式場は地元でいいとこで、めっちゃお金かかってるなーと思った。お母さん可愛い系だったな。見てて気になったのが、お母さん、出席してくれた友達と写真撮っても、つっけんどんしてたけど、おとうさん側の友達が来ると、媚びうるようなテンションだった。俺も友達もそうだけど、片っ端から連絡先教えてってやってた』

『今でも覚えてるけど、お母さん、お色直し4回ぐらいやってたよ。後にも先にもこんなに多いのはなかった。確かに似合ってたけどね……お父さんもゲストも疲れ切ってた。というか、披露宴自体がもうお母さんが主役で、お父さん脇役みたいな扱い。仲間うちで、お父さんが上手くやっていけるか心配していた。クイズにも全然顔出せなくなったと聞いてね……』
 
 当時出席していた人達の話を聞いて、あの人は人のこと一切考えない人間なんだなと改めて思った。
 自分が常に主役じゃないと嫌。お姫様扱いしないと許さない。

『そっか。お父さんも依田さん2人で頑張ってきたんだね。お母さんの過去のことは、依田さんには関係ない。とやかく言ってくる方がおかしい。いっそのこと見返そう。依田さんがお母さんみたいな人間でないことを証明するために。一泡吹かせよう』

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