世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
「あの作者……そうだ、長谷川ひかるとかいうひとだ。謎が多いというか、あんまり表出ないタイプみたいだな。SNSの公式アカウントもないからね……新作の情報得られなくってな……今どき珍しいタイプだよ。その人の作品さ、俺も家にあるんだよ。男性向けから女性向けまで幅広いな」
年齢も性別も経歴も非公表。
いつも出版される本のプロフィールには、過去の作品のみ。
ネットでは名前が中世的ということもあり、男性か女性か議論になっている。
女性説が少し優勢だ。
長谷川ひかると彩羽は念仏のように心の中で唱える。
「メッセージと言えばいいのか、コメント言う時の声が咲羽ちゃんに似ててな。どっかで聞いたことある声だなとおもってよ」
「そ、イベントそれどこでしたか? タイトルなんですか?」
咲羽は身を乗り出して室井に尋ねる。
「えっと、タイトルなんだっけな……出てたのは古関波奈と、稲本庄吾と野村舞夜だっけ」
室井はあーなんだっけなと何度もつぶやく。
「む、無理しなくて思い出さなくていいですよ」
「そうだな。確か、あれトークショーは配信されてるはずだから。観たらいいと思う」
「そうね。ありがとうございます。室井さーん」
お礼にサービスしちゃうと、咲羽は焼酎の水割りを継ぎ足した。
年齢も性別も経歴も非公表。
いつも出版される本のプロフィールには、過去の作品のみ。
ネットでは名前が中世的ということもあり、男性か女性か議論になっている。
女性説が少し優勢だ。
長谷川ひかると彩羽は念仏のように心の中で唱える。
「メッセージと言えばいいのか、コメント言う時の声が咲羽ちゃんに似ててな。どっかで聞いたことある声だなとおもってよ」
「そ、イベントそれどこでしたか? タイトルなんですか?」
咲羽は身を乗り出して室井に尋ねる。
「えっと、タイトルなんだっけな……出てたのは古関波奈と、稲本庄吾と野村舞夜だっけ」
室井はあーなんだっけなと何度もつぶやく。
「む、無理しなくて思い出さなくていいですよ」
「そうだな。確か、あれトークショーは配信されてるはずだから。観たらいいと思う」
「そうね。ありがとうございます。室井さーん」
お礼にサービスしちゃうと、咲羽は焼酎の水割りを継ぎ足した。