世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 義父が妻を連れて行くようにこの人から逃げたと。そこから連絡取ってないと。
 あの馴れ馴れしい口調、水商売の人のような格好、そりゃ親と認めたくないのは分かる。

「さっさと帰れ。なーにが感動の夫と親子の再会だ!」
「嫌だ。ゆいちゃん、変わった姿見せたくって、ゆうちゃんとひーちゃんともう1回やり直ししたくってきたの。あんた、随分偉くなったんだねぇ。人気俳優と結婚して、小説家で人気になって。読んだわよ。『母親もどき』ね。面白くなかったけど。ね、今度さ出演者に会わせてくれない?」
 上目遣いしながら陽鞠と庄吾に上目遣いでアピールする。
「早くお茶出してよ。コーヒーでもいいから。そうじゃないと、ひーちゃんの過去のこと和野ノワに話しちゃおっかなっ。子供の頃から不細工の癖に男好きで、調子に乗って女子から反感買って……」
 いいこと思いついたと言わんばかりに話す結花に、陽鞠は渋々人数分用意した。

 1回座って飲んでから落ち着こう。
 事実無根の内容広められて、自分達の評判ががた落ちされるのもたまったもんじゃないし。
 ただでさえ、ずっと非公表でいたプライベートを、和野ノワによって拡散された。
 内容が本当の部分もあれば、事実無根の内容が入ってるから質悪い。
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