世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 何せ肝心のあの子達がいない。

「どういうつもりって、あの子達と仲良くして将来はゆいちゃんとゆうちゃんと同居したいなーって。パパとママが厳しいからゲーム機買ってもらえなくって、つまんないって言ってたよ。仲間はずれにされるんだって。いやー、こういうのって友人関係に影響するって知らないんだねぇ」
 にちゃぁと笑う結花。その姿は家庭の方針をバカにする人に変わりなかった。
「これはうちの方針よ。無断でうちの子達にゲーム買わないで! これ売るから」
「ほんとあんたって真面目ねぇ。誰かさんに似て。全く可愛げない。しょうちゃんも、こんな人好きって物好きね。ゆいちゃんはどう? こいつと違って甘やかしてあげるから」 
 結花は庄吾の所に近づいて、腰をベタベタ触る。
 しかし庄吾は反射的に立ち上がり、結花から離れた。
「い、いい加減にしてください! うちをかき回さないでください。妻と義父はあなたと関わりたくないと言っているので、お引き取り願います。そうじゃないと警察呼びますよ!」
 深呼吸をして冷静に退去のお願いをする。
「もー冷たいんだからぁ。孫達はゆいちゃんと一緒がいいって言ってるよ? その願い叶えないなんて酷い親。ゆうちゃんもなんか言って」
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