世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 陽鞠は庄吾と交際してから、何度も会っているし、琥珀と翡翠が生まれてからもお世話になった。
 押田は陽鞠と庄吾の交際を陰で応援していた。

『庄吾様は甘い物がお好きですね。特にホットケーキが大好物でして。そんなのほっとけーって』
『陽鞠様は幸せものですよ。庄吾様のような優しい方に愛されてますからね。私は今まで見てきた中で、お二人が一番お似合いです』
『陽鞠様のご家族の関係は承知しています。実母の件はお父様と一緒に苦労されたと思います。お二人がこれ以上責任持つ必要ありません。今度はお二人が幸せになる番なんです。もし、実母がこちらへやってきた場合、私や稲本家のお手伝い総出で追い出します!』
『旦那様が庄吾様との結婚を反対される可能性ありますので、根回ししときますね。陽鞠様がいかに素晴らしい女性かプレゼンしますので。もし反対されたら援護射撃します』

 押田は庄吾の見えないところで、陽鞠に稲本家について話してくれた。
 彼は陽鞠と庄吾の結婚を勤をはじめ、親族達が反対するだろうと考えていたが、杞憂だった。
 勤の親族の中に陽鞠の叔母の静華がいたから。
 静華の夫は勤と仕事関係の仲間で、日頃から付き合いのある人だった。
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