世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
 結婚の挨拶の時に、叔母が陽鞠のことをいかに素晴らしいか援護射撃してくれたのが大きかった。
 陽鞠は静華とあんまり会ってなかったし、叔母と母の結花が不仲なのを知っているので、大変驚いた。
 結花抜きのグループチャットで、陽鞠が叔父の良輔や父の悠真達とやりとりしているのを、静華も見ていたから。
 無関心というわけではなかった。単に結花と関わりたくないだけだった。
 結花が"呉松家"の人間でなくなったというのもあり、活発に親族同士でやりとりしていた。

 数年前に押田から川口に代わったのはいいが、無口で無愛想な雰囲気で、陽鞠と子供達は近づきにくいなと思っていた。
 顔を合わせる機会が増えていくにつれ、本当は優しいお兄さんという認識になった。
 
 でも、今日見た川口さんはなんか全然キャラが違ってた。
 あんな馴れ馴れしく私達のこと呼ばないし……なんて言えばいいんだろう、うさんくさい詐欺師みたいな感じ?

「……なんか、今日、川口さん変じゃない?」
「うん。あんなしゃべり方しない。それにお父さんのメッセージの文章も変。いつどこで具体的に書くんだけどさ。よりによってこんな時にお父さんがぎっくり腰になるってさ……しかも、ひーちゃんのお母さんが着たのも、すごいタイミング狙ってました感ある」
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