世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!
「すいが私達の知らないとこで、あの人に会ってたって言ってたね。ゲームも買って貰ったって言ってたし」
「だいたい、ゲームなんて前なかったじゃん。隠し持ってたということか?」
「かもしれん。多分、あいつ、すいとはくを先に懐かせたんだよ。それで、うちに遊びに行くと称して、お前達に会うことを目論んでいたのじゃないか?」
「そうでしょうね、お義父さん」
「和野ノワの動画配信もあの人が絡んでそうね。だって、本人しか知らないことばっか言ってるから」
「あれも、ひーちゃんを悪く見せようとさせてるんじゃない? 秘密の多い作家が親を見捨てて、俳優と結婚してましたなんて広まったら、ひーちゃんに対するマイナスイメージがすぐについちゃう。まして、今ドラマやってるから尚更」
 
 陽鞠は「そんな……」と顔を覆う。息があがり現実を直視したくない。

 夫の言うとおりなら、あの人は、私の足を引っ張りたい、人生を邪魔したいということなんだろう。
 マイナスイメージつけて、あの人が悲劇のヒロインとして注目される。
 その上、今子供達と連絡が取れないどころか、脅迫まできた。
 あのメッセージは、うちの家庭環境を知っている人が書いてると思う。
 いや、和野ノワの動画配信で知った人? 余計なお世話だと思う。
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