世界一可愛い私、夫と娘に逃げられちゃった!

17

 ここはどこだろう? ほんとうにつとむじーじのべっそう?
 大きなリビングにある椅子と机と黒いソファー……じーじの家とちょっと違う。
 今何時かなって、時計を見たらおやつの時間だった。
 用意されたおやつはいつも僕達が食べてるもの。
 ポテチにチョコレートに駄菓子。
 すいと一緒に食べるけど、いつもより口数が少ない。
 僕達の向かいの席には、熊みたいに大きいおじちゃんが2人いる。
 この人達がずっと僕達と一緒にいるんだ。
 目つき怖いし、ずっとだんまりでお菓子食べてる。
 なんか怖いなぁ。
「……川口兄ちゃんはいないの?」
「うん。忙しいからな。俺たちが見てやるんだぜ」

 答えたのは頭テカテカした方のおじちゃんだった。確か、かんまきさんって言ってた。
 目が覚めたら、腕にテープがベタベタ貼られていて、あちこち取れかけていた。
 それに気づいたかんまきのおじちゃんが、剥がしてくれた。
 しばらくここに住むから、お兄さん達の言うこと大人しく聞きなさいって。
 そうじゃないとの後が怖くって。
 いつまでって聞いたら教えてくれなかった。
 いつも持ってるスマホは、いつの間にかなくなっていた。
「僕達のスマホ知らない? じーじの家に行くときはあったんだけど……?」
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