僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている
言い淀むような天宮くんの声を聞いて、私はハッとした。
天宮くんは私がお弁当の時間につらい思いをしていることを見抜いて、こうして逃げ場を作ってくれたんだ。
昨日友達とうまくいっていないことを口走ってしまったから、勘づいたんだろう。
やっぱり天宮くんは、すぐに私のすべてを見抜いてしまう。
「部室は、佐方先輩からもらったスペアキーで開けたんだ」
「え、スペアキー……?」
「うん。職員室まで鍵を取りに行くのがめんどくさくてバレないように作ったんだって。二個作ったからって一個くれた」
どうやって作ったのか分からないけど、それはきっとよくないことだろう。
佐方副部長は間違いなく変わり者だ。それを咎めない天宮くんも変わり者だ。
「だから、今日はここでお弁当食べたらいいよ。この先も、ずっと昼は開けててくれるらしいから……」
早口でそう捲し立てる天宮くん。
天宮くんは私がお弁当の時間につらい思いをしていることを見抜いて、こうして逃げ場を作ってくれたんだ。
昨日友達とうまくいっていないことを口走ってしまったから、勘づいたんだろう。
やっぱり天宮くんは、すぐに私のすべてを見抜いてしまう。
「部室は、佐方先輩からもらったスペアキーで開けたんだ」
「え、スペアキー……?」
「うん。職員室まで鍵を取りに行くのがめんどくさくてバレないように作ったんだって。二個作ったからって一個くれた」
どうやって作ったのか分からないけど、それはきっとよくないことだろう。
佐方副部長は間違いなく変わり者だ。それを咎めない天宮くんも変わり者だ。
「だから、今日はここでお弁当食べたらいいよ。この先も、ずっと昼は開けててくれるらしいから……」
早口でそう捲し立てる天宮くん。