僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている
戸惑ったように、カメラを顔から降ろす天宮くん。
何か悪いことした?とでも言いたげなその表情に、今度は私が戸惑う番だった。
「せっかくこんなにきれいにひまわりが咲いてるのに。撮らないともったいないよ。今日ぐらいはひまわりを撮ったら?」
こんなところまで来て私なんかを撮っている天宮くんが信じられなくて、思わず声が大きくなる。
あーでも、と天宮くんが言いにくそうにした。
「僕は今ポートレイトの練習中だから、ポートレイト以外は撮りたくないんだ。風景なんか撮ったら、すぐに得たものを忘れちゃうから」
「そういうもの?」
「うん、そういうもの」
少し顔を赤くして、天宮くんが言う。
私には理解できないことだけど、天宮くんの中には天宮くんのマイルールがあるみたい。
佐方副部長だって花じゃなくて虫ばかりを撮っているし、芸術家肌の人は考え方も特殊なのだろう。
「分かった。それならいいよ」
何か悪いことした?とでも言いたげなその表情に、今度は私が戸惑う番だった。
「せっかくこんなにきれいにひまわりが咲いてるのに。撮らないともったいないよ。今日ぐらいはひまわりを撮ったら?」
こんなところまで来て私なんかを撮っている天宮くんが信じられなくて、思わず声が大きくなる。
あーでも、と天宮くんが言いにくそうにした。
「僕は今ポートレイトの練習中だから、ポートレイト以外は撮りたくないんだ。風景なんか撮ったら、すぐに得たものを忘れちゃうから」
「そういうもの?」
「うん、そういうもの」
少し顔を赤くして、天宮くんが言う。
私には理解できないことだけど、天宮くんの中には天宮くんのマイルールがあるみたい。
佐方副部長だって花じゃなくて虫ばかりを撮っているし、芸術家肌の人は考え方も特殊なのだろう。
「分かった。それならいいよ」