僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている
うなずくと、天宮くんはホッとしたように口元をほころばせた。
そしてどこかしら楽しげに、また私に向けてカメラを構える。
天宮くんのカメラの中には、もうすでに、かなりの数の私のポートレイトが入っているはず。
ふと脳裏をよぎったのは、廊下に掲示されている、天宮くんの白黒の写真だった。
最近知ったことだけど、天宮くんはいつも、撮った写真をすべて白黒に加工するらしい。
少し前に、部室にあった天宮くんの撮った写真を、二階堂部長が見せてくれたことがある。
この世から色という概念が消えたみたいに、すべてが白黒だった。
二階堂部長曰く、白黒写真は『芸術家肌の天宮のこだわり』らしい。
やっぱり私の写真も、白黒に加工されているんだろうか?
そんな考えにいたったとき、そういえばと思い出す。
部室にあった天宮くんの撮った写真の中に、ポートレイトは一枚もなかった。
天宮くんがポートレイトの練習を始めたのは、本当につい最近みたい。
そしてどこかしら楽しげに、また私に向けてカメラを構える。
天宮くんのカメラの中には、もうすでに、かなりの数の私のポートレイトが入っているはず。
ふと脳裏をよぎったのは、廊下に掲示されている、天宮くんの白黒の写真だった。
最近知ったことだけど、天宮くんはいつも、撮った写真をすべて白黒に加工するらしい。
少し前に、部室にあった天宮くんの撮った写真を、二階堂部長が見せてくれたことがある。
この世から色という概念が消えたみたいに、すべてが白黒だった。
二階堂部長曰く、白黒写真は『芸術家肌の天宮のこだわり』らしい。
やっぱり私の写真も、白黒に加工されているんだろうか?
そんな考えにいたったとき、そういえばと思い出す。
部室にあった天宮くんの撮った写真の中に、ポートレイトは一枚もなかった。
天宮くんがポートレイトの練習を始めたのは、本当につい最近みたい。