僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている
二階堂部長にうながされ、私も芝生広場に横になった。
かすかな音を立てて、夜風がみずみずしい芝生の香りを運んでくる。
どこからともなく聞こえてくる、リーンという虫の声。
背中には、芝生の湿りけ。
そして視線の先には、とてつもなく広い曇った夜空。
濃い灰色の雲が、音もなく夜空を流れていた。
「あ、たしかに気持ちいいですね、これ」
「自然と一体化したかんじするよな」
天宮くんも、やや距離を開けて私の隣に寝ころんでいる。
私たち三人は、しばらくそのまま横になって、星も月も見えない夜空を見上げていた。
佐方副部長が曇り空を撮り続ける音だけが、静かな空間に鳴り響いている。
そのとき、遠くの空に、パッと赤い大輪の花が咲いた。
遅れて、ドンッ! と地面を揺るがす音がする。
花火だ。
「お、花火大会やってるやん! ちょっと遠いけど、きれいに見えるな~」
かすかな音を立てて、夜風がみずみずしい芝生の香りを運んでくる。
どこからともなく聞こえてくる、リーンという虫の声。
背中には、芝生の湿りけ。
そして視線の先には、とてつもなく広い曇った夜空。
濃い灰色の雲が、音もなく夜空を流れていた。
「あ、たしかに気持ちいいですね、これ」
「自然と一体化したかんじするよな」
天宮くんも、やや距離を開けて私の隣に寝ころんでいる。
私たち三人は、しばらくそのまま横になって、星も月も見えない夜空を見上げていた。
佐方副部長が曇り空を撮り続ける音だけが、静かな空間に鳴り響いている。
そのとき、遠くの空に、パッと赤い大輪の花が咲いた。
遅れて、ドンッ! と地面を揺るがす音がする。
花火だ。
「お、花火大会やってるやん! ちょっと遠いけど、きれいに見えるな~」