僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている
天宮くんがどうして写真をそんなふうに加工するのか気になっていたけど、聞くタイミングがつかめずにいた。
今が、絶好のチャンスかもしれない。
「ねえ、天宮くんは、どうして撮った写真を白黒に加工するの?」
天宮くんが、わずかに残っていたペットボトルの中のオレンジジュースを飲み干す。
それから前を向いたまま、淡々とした口調で言った。
「僕、色が見えないんだ」
予想外の角度から返事がきて、一瞬理解が追いつかなかった。
「色が見えない……?」
「色覚障害なんだ。一色で見えるとか、色覚障害にもいろいろあるらしいけど、僕の場合はそもそも色という概念がないんだ。すべてが線と無色でしかない」
なんてことない世間話をするように、天宮くんが続ける。
今が、絶好のチャンスかもしれない。
「ねえ、天宮くんは、どうして撮った写真を白黒に加工するの?」
天宮くんが、わずかに残っていたペットボトルの中のオレンジジュースを飲み干す。
それから前を向いたまま、淡々とした口調で言った。
「僕、色が見えないんだ」
予想外の角度から返事がきて、一瞬理解が追いつかなかった。
「色が見えない……?」
「色覚障害なんだ。一色で見えるとか、色覚障害にもいろいろあるらしいけど、僕の場合はそもそも色という概念がないんだ。すべてが線と無色でしかない」
なんてことない世間話をするように、天宮くんが続ける。