僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている
九月は、あっという間に過ぎていった。
クラスに穏やかな居場所ができて、写真部でも変わらず気負わずに過ごせている。
二階堂部長は相変わらずおしゃべりで、佐方副部長はレンズ磨きに夢中、ときどき鋭いツッコミを入れる。
そして天宮くんは、いつも私を撮った。
彼のポートレイトの練習期間は、なぜかなかなか終わらない。
高安くんの家に写真を届けに行くとき、天宮くんはたいていついて来てくれたから、私は彼に色を教えた。
いつものように、天宮くんは生返事で、私を撮ってばかりだったけど。
夏が終わり、秋へと移りゆく世界が、私のつたない言葉で彩られていく。
クラスに穏やかな居場所ができて、写真部でも変わらず気負わずに過ごせている。
二階堂部長は相変わらずおしゃべりで、佐方副部長はレンズ磨きに夢中、ときどき鋭いツッコミを入れる。
そして天宮くんは、いつも私を撮った。
彼のポートレイトの練習期間は、なぜかなかなか終わらない。
高安くんの家に写真を届けに行くとき、天宮くんはたいていついて来てくれたから、私は彼に色を教えた。
いつものように、天宮くんは生返事で、私を撮ってばかりだったけど。
夏が終わり、秋へと移りゆく世界が、私のつたない言葉で彩られていく。