僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている
「天宮くん」

翌日、放課後にさっそく天宮くんの病室に行くと、彼はベッドの上でカメラのメンテナンスをしている最中だった。

私を見ると驚いたように瞳を揺らす。

「今日も来るなんて、どうしたの?」

「昨日、私を撮りたいって言ったでしょ? だから撮られにきた。これから行けるときは来るつもり」

「学校あるのに大変じゃない?」

「ううん、ぜんぜん。この病院、私の家から近いし」

天宮くんが安心できるように少しだけ微笑む。

「それにほら、私には天宮くんに色を教えるっていう役目があるし」

「それ、まだ覚えてくれてたんだ」

「もちろん」
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