僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている
新学期が始まって三日目。

スマホが振動する音が聞こえ、ぼうっとベッドに横になっていた私は、何となしにヘッドボードに置いたままだったそれを手に取った。

染谷さんからメッセージがきている。

学校を休んでいるから、心配してくれているみたい。

さすがに申し訳なくなって、簡単な返信だけしようとスマホを開く。

そして、SNSアプリに通知マークがついているのを見つけた。

不登校時代に始めたこのSNSに通知がくることはまずない。

〝くろすけ〟との交流が盛んだった頃はしょっちゅうきていたけど、何ヶ月か前の久々のやり取り以降、完全に途絶えていた。

不審に思ってSNSを開く。

連絡が途絶えたはずの〝くろすけ〟から、少し前に写真が送られていた。

大きく息を呑む。

その写真が、大きな日暈の写真だったからだ。

「これって……」

輝く太陽を色とりどりの虹が取り巻いている、不思議な光景。

図鑑に使われてもおかしくないくらい、鮮明でくっきりとしている。
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