僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている
中高時代はあれほど悩んだ人間関係も、大学に入るとそれほど悩まなくなった。
大学は、基本的に自由だからだ。
授業の受け方がみんなバラバラで、毎回同じ人に会うわけじゃない。
思うに、決まった集団から逃れられない中高時代は、人生で一番人間関係が難しい時期なんじゃないかと思う。
それでも、そんな落ち着いた毎日の中、不登校だった頃の苦い気持ちはずっとどこかに残っていた。
遠い過去のことなのに、いまだに昨日のことのように思い出せる。
そしてちょっと落ち込むことがあったら、またすぐにとらわれそうになるのだ。
就職活動が始まった頃は、とくにひどかった。
相変わらず弱い自分に嫌気が差す。
だけどそんなとき、記憶の奥底から彼の声がしたんだ。
――『優しくて傷つきやすい夏生さんは、人の心に寄り添うのがうまいから。これからもそうやって、きっと誰かを救って生きていくんだと思う』
彼の声に導かれるようにして、私は大学卒業後、高校教師になった。
大学は、基本的に自由だからだ。
授業の受け方がみんなバラバラで、毎回同じ人に会うわけじゃない。
思うに、決まった集団から逃れられない中高時代は、人生で一番人間関係が難しい時期なんじゃないかと思う。
それでも、そんな落ち着いた毎日の中、不登校だった頃の苦い気持ちはずっとどこかに残っていた。
遠い過去のことなのに、いまだに昨日のことのように思い出せる。
そしてちょっと落ち込むことがあったら、またすぐにとらわれそうになるのだ。
就職活動が始まった頃は、とくにひどかった。
相変わらず弱い自分に嫌気が差す。
だけどそんなとき、記憶の奥底から彼の声がしたんだ。
――『優しくて傷つきやすい夏生さんは、人の心に寄り添うのがうまいから。これからもそうやって、きっと誰かを救って生きていくんだと思う』
彼の声に導かれるようにして、私は大学卒業後、高校教師になった。