僕は花の色を知らないけれど、君の色は知っている
――いいわけがない。
「嫌じゃないなら、撮らせてほしい。部長も、夏生さんにまた会いたそうだったし」
困惑していると、天宮くんが念を押すように言った。
「……でも、天宮くんは本当に私をまた撮りたいと思う?」
「うん、思うよ」
おずおずと聞くと、天宮くんはまたはっきりと言い切った。
「夏生さんの写真、何度でも撮りたいって思う」
でもやっぱり、目は合わない。
だからきっと、深い意味はない。
ポートレイトの練習がしたいカメラ好きの天宮くんにとって、モデルは誰でもよくて、暇そうな私ならまた受けてくれると思っただけだろう。
「なら……いいよ」
モデルなんておこがましいという気持ちは消えていない。
でも、カメラを構えているときの天宮くんの真剣な目はまた見たいと思う。
あんなふうに、誰かにまっすぐ見られたことは一度もなかったからだ。
「嫌じゃないなら、撮らせてほしい。部長も、夏生さんにまた会いたそうだったし」
困惑していると、天宮くんが念を押すように言った。
「……でも、天宮くんは本当に私をまた撮りたいと思う?」
「うん、思うよ」
おずおずと聞くと、天宮くんはまたはっきりと言い切った。
「夏生さんの写真、何度でも撮りたいって思う」
でもやっぱり、目は合わない。
だからきっと、深い意味はない。
ポートレイトの練習がしたいカメラ好きの天宮くんにとって、モデルは誰でもよくて、暇そうな私ならまた受けてくれると思っただけだろう。
「なら……いいよ」
モデルなんておこがましいという気持ちは消えていない。
でも、カメラを構えているときの天宮くんの真剣な目はまた見たいと思う。
あんなふうに、誰かにまっすぐ見られたことは一度もなかったからだ。