息霊ーイキリョウー/長編ホラーミステリー
引渡し/その3
「…じゃあ、これ代金です」
私は、自分の勤め先である、信用金庫の”あひるちゃんマーク”付きの現金用封筒に納まった、ん十万円を出品者さんに差し出した。
「あ、エンジンかけて確認してください。それから少し走ってみて、おかしいところがないかチェックしてもらってからで…・。それと、これ…、名義変更の関係書類です。間違いないか、確かめてください」
へへ、紳士だわー。
では、お言葉に甘えて試運転してみっか!
...
はは…、試運転してみたー。
もちろん問題なし。
「もう、すっかり気にいっちゃいました!代金受取ってください。ハイ…」
私は右手で渡し、彼は両手で受け取った。
山中での、厳かな”引渡し”作業が終わりましたとさ…。
何気に、ジーンっときちゃいまして…(苦笑)。
私の右に立ってる美香も、頭をこまめに下げたり、しっかり立会人やってくれてます。
珍しくおとなしくしてさ(笑)。
...
ああ、どうもありがとうございます。領収証必要なら、今書けますけど…」
「いいです、個人ですし」
「そうですか・・・。あっつ、あの…、ぬるくなっちゃったけど、お茶持ってきますね」
向井さんはそう言って車の中から、ペットボトルのお茶を持ってきてくれて、私たち二人に手渡してくれた。
この辺、気遣いがさりげなくていいや。
長い間、欲しかったあのマシン。
いい条件で譲ってくれた向井さん。
良い取引過ぎて、ヤッホーと吠えてみたいくらいだった。
「…じゃあ、これ代金です」
私は、自分の勤め先である、信用金庫の”あひるちゃんマーク”付きの現金用封筒に納まった、ん十万円を出品者さんに差し出した。
「あ、エンジンかけて確認してください。それから少し走ってみて、おかしいところがないかチェックしてもらってからで…・。それと、これ…、名義変更の関係書類です。間違いないか、確かめてください」
へへ、紳士だわー。
では、お言葉に甘えて試運転してみっか!
...
はは…、試運転してみたー。
もちろん問題なし。
「もう、すっかり気にいっちゃいました!代金受取ってください。ハイ…」
私は右手で渡し、彼は両手で受け取った。
山中での、厳かな”引渡し”作業が終わりましたとさ…。
何気に、ジーンっときちゃいまして…(苦笑)。
私の右に立ってる美香も、頭をこまめに下げたり、しっかり立会人やってくれてます。
珍しくおとなしくしてさ(笑)。
...
ああ、どうもありがとうございます。領収証必要なら、今書けますけど…」
「いいです、個人ですし」
「そうですか・・・。あっつ、あの…、ぬるくなっちゃったけど、お茶持ってきますね」
向井さんはそう言って車の中から、ペットボトルのお茶を持ってきてくれて、私たち二人に手渡してくれた。
この辺、気遣いがさりげなくていいや。
長い間、欲しかったあのマシン。
いい条件で譲ってくれた向井さん。
良い取引過ぎて、ヤッホーと吠えてみたいくらいだった。