※追加更新終了【短編集】恋人になってくれませんか?
(だけど――――)
劇が終わったその後にも、現実の物語は続いていく。
俺の瞳は、先程からネリーンに釘付けだった。
あれ程までに激しい意見や感情を持ちながら、それを綺麗に隠し通したこと。最後に思い切り毒を放ったその様が、痛快だった。あまりにも美しくて、惚れ惚れする。
これまでの3年間、ネリーンへの関心は特に無かったけれど、今はとんでもなく興味を引かれているのが分かった。
すると、俺の視線を感じたのだろうか。ネリーンがこちらを見た。
知らず心臓が大きく跳ねる。ドキドキと高鳴って息も上手くできない。
なにを言われるんだろうか。そう思っていたら、ネリーンは静かに微笑んだ。
「……ご機嫌よう、殿下。また、お会いするその日まで」
ネリーンはそう言って、颯爽とパーティー会場を後にする。
凛とした後姿。瞳にはネリーンの笑顔が焼き付いている。
(参ったな)
背筋を駆け巡る甘さ。他では味わえない強い刺激。うずうずと痺れるような快感。
ネリーンの毒はアロンソだけでなく、俺にも回りきっていたらしい。
(これは……癖になりそうだ)
頬が熱く火照るのを自覚しながら、俺は盛大に頭を抱えるのだった。
(END)
劇が終わったその後にも、現実の物語は続いていく。
俺の瞳は、先程からネリーンに釘付けだった。
あれ程までに激しい意見や感情を持ちながら、それを綺麗に隠し通したこと。最後に思い切り毒を放ったその様が、痛快だった。あまりにも美しくて、惚れ惚れする。
これまでの3年間、ネリーンへの関心は特に無かったけれど、今はとんでもなく興味を引かれているのが分かった。
すると、俺の視線を感じたのだろうか。ネリーンがこちらを見た。
知らず心臓が大きく跳ねる。ドキドキと高鳴って息も上手くできない。
なにを言われるんだろうか。そう思っていたら、ネリーンは静かに微笑んだ。
「……ご機嫌よう、殿下。また、お会いするその日まで」
ネリーンはそう言って、颯爽とパーティー会場を後にする。
凛とした後姿。瞳にはネリーンの笑顔が焼き付いている。
(参ったな)
背筋を駆け巡る甘さ。他では味わえない強い刺激。うずうずと痺れるような快感。
ネリーンの毒はアロンソだけでなく、俺にも回りきっていたらしい。
(これは……癖になりそうだ)
頬が熱く火照るのを自覚しながら、俺は盛大に頭を抱えるのだった。
(END)