※追加更新終了【短編集】恋人になってくれませんか?
(けどまぁ、貴族に恩を売っておいて損はねぇ、か)
魔術科の不動のトップとして君臨しているエーヴァルトだが、あくまで平民の身分だ。今後の人生を考えれば、伝手は多い方が良い。見た目よりもずっと、堅実な性格をしている。
何より、エーヴァルトはひどく退屈していた。才能が突出しているが故、周りには友達やライバルと呼べるような人間はいない。言い寄ってくるのはいつも、似たような少女ばかりだ。ほんの短期間、普段とは違うことをしてみるのも悪くはない。
「良いけど」
「本当ですか?」
エーヴァルトの返事に、グラディアは瞳を輝かせた。ひどく純粋で、無垢な表情。エーヴァルトの取り巻き連中とは正反対の少女だ。
「良いけど! 絶対俺にマジになるなよ? 面倒ごとは嫌いだ」
「なりません! 絶対絶対、あり得ませんわ」
そう言って満面の笑みを浮かべるグラディアの額を、エーヴァルトは指で弾いた。無邪気なだけに、何となく腹が立った。
魔術科の不動のトップとして君臨しているエーヴァルトだが、あくまで平民の身分だ。今後の人生を考えれば、伝手は多い方が良い。見た目よりもずっと、堅実な性格をしている。
何より、エーヴァルトはひどく退屈していた。才能が突出しているが故、周りには友達やライバルと呼べるような人間はいない。言い寄ってくるのはいつも、似たような少女ばかりだ。ほんの短期間、普段とは違うことをしてみるのも悪くはない。
「良いけど」
「本当ですか?」
エーヴァルトの返事に、グラディアは瞳を輝かせた。ひどく純粋で、無垢な表情。エーヴァルトの取り巻き連中とは正反対の少女だ。
「良いけど! 絶対俺にマジになるなよ? 面倒ごとは嫌いだ」
「なりません! 絶対絶対、あり得ませんわ」
そう言って満面の笑みを浮かべるグラディアの額を、エーヴァルトは指で弾いた。無邪気なだけに、何となく腹が立った。