※追加更新終了【短編集】恋人になってくれませんか?
「――――好きじゃなかったら、こんな風に直談判したりしない」
「だって! だって‼ ソーちゃん全然そんな素振り見せなかったし! わたしの政略結婚のすすめにも、全然頷いてくれなかったじゃない?」
「それだよ」
「え?」
「ミラが『政略結婚』の相手にどう? って聞くから、頷くことができなかったんだ。理由も『家格が』とか『持参金が』としか言わないし。俺はそうじゃなくて――――ミラが好きだから結婚したいって、そう思って」
ソーちゃんの言葉に心が震える。
どうしよう。そんな風に考えてくれてたなんて全く知らなかった。
物凄く、嬉しい。
「だけど、それならそうと、一言言ってくれたら良かったのに」
「最初の頃は、ミラの真意が分からなかったんだよ。結婚について周囲が教え始めたから、興味が湧いたんだろうなぁとか。ミラの父親や母親からの期待――――本当に家格や家同士の繋がり目当てで、俺と結婚したいって言ったのかなって思ったんだ。
だけど、俺はミラが好きだし。
当時はまだまだ子供で、そんな状態で想いを告白する勇気は無かったんだよ」
ソーちゃんは照れくさそうに顔を背けつつ、そんなことを口にする。
「だったら、再会してからは?」
「――――最後に会った十三歳の時、ミラの父親に初めて『ミラと結婚させて欲しい』って伝えたんだ。結果は惨敗。ちっとも取り合ってもらえなかった。
それ以降ミラは、王都に来なくなってしまうし。手紙のやり取りすらさせてもらえないし。
ここまで来たら、きちんと結婚の許可を貰ってから、ミラに想いを打ち明けたいって思っていたんだ。ミラと公爵様を仲違いさせたくはないし、再会したミラは相変わらず『政略結婚』って口走るから」
「だって、政略結婚ならいつかはオーケーして貰えるかなぁって思ったんだもの!」
「だって! だって‼ ソーちゃん全然そんな素振り見せなかったし! わたしの政略結婚のすすめにも、全然頷いてくれなかったじゃない?」
「それだよ」
「え?」
「ミラが『政略結婚』の相手にどう? って聞くから、頷くことができなかったんだ。理由も『家格が』とか『持参金が』としか言わないし。俺はそうじゃなくて――――ミラが好きだから結婚したいって、そう思って」
ソーちゃんの言葉に心が震える。
どうしよう。そんな風に考えてくれてたなんて全く知らなかった。
物凄く、嬉しい。
「だけど、それならそうと、一言言ってくれたら良かったのに」
「最初の頃は、ミラの真意が分からなかったんだよ。結婚について周囲が教え始めたから、興味が湧いたんだろうなぁとか。ミラの父親や母親からの期待――――本当に家格や家同士の繋がり目当てで、俺と結婚したいって言ったのかなって思ったんだ。
だけど、俺はミラが好きだし。
当時はまだまだ子供で、そんな状態で想いを告白する勇気は無かったんだよ」
ソーちゃんは照れくさそうに顔を背けつつ、そんなことを口にする。
「だったら、再会してからは?」
「――――最後に会った十三歳の時、ミラの父親に初めて『ミラと結婚させて欲しい』って伝えたんだ。結果は惨敗。ちっとも取り合ってもらえなかった。
それ以降ミラは、王都に来なくなってしまうし。手紙のやり取りすらさせてもらえないし。
ここまで来たら、きちんと結婚の許可を貰ってから、ミラに想いを打ち明けたいって思っていたんだ。ミラと公爵様を仲違いさせたくはないし、再会したミラは相変わらず『政略結婚』って口走るから」
「だって、政略結婚ならいつかはオーケーして貰えるかなぁって思ったんだもの!」