※追加更新終了【短編集】恋人になってくれませんか?
「ご挨拶が遅くなって申し訳ございません。色々とすることがあったものですから」
「そんなことは構わない! 本当にエーファなんだな!」
僕は言いながら涙を拭う。エーファは柔らかく微笑んだ。
エーファが今、ここに居る。彼女にまた会うことが出来た。それ以上に大事なことなんて存在はしない。
「ずっとずっと、会いたかった」
心からの想いを口にすれば、エーファはそっと目を細める。それから、ゆっくりと視線を横に動かした。
「実は、殿下にご紹介したい人が居るのです」
「紹介? 僕に?」
「ええ。この度、婚約をすることになったものですから」
そう言ってエーファは、彼女の隣に並び立つ男性を見上げる。
僕は大きく目を見開いた。
「初めまして、シェイマス殿下」
そう口にするのは、神秘的な紫色の瞳をした美しい男だった。エーファはウットリと彼を見上げつつ、ほんのりと頬を染める。胸が痛くて堪らなかった。
「隣国の皇太子、イアン様ですわ。留学先で知り合いましたの。わたくしのような至らぬ女に、本当に良くしてくださって……」
「至らない所なんて何一つないよ。エーファはこの世の誰よりも素敵だ。君と婚約が出来て、俺は本当に幸せだと思っている」
エーファの薬指には、大きな宝石のあしらわれた指輪が光っていた。笑い合う二人の手は、傍から見ても固く結ばれている。
「そんなことは構わない! 本当にエーファなんだな!」
僕は言いながら涙を拭う。エーファは柔らかく微笑んだ。
エーファが今、ここに居る。彼女にまた会うことが出来た。それ以上に大事なことなんて存在はしない。
「ずっとずっと、会いたかった」
心からの想いを口にすれば、エーファはそっと目を細める。それから、ゆっくりと視線を横に動かした。
「実は、殿下にご紹介したい人が居るのです」
「紹介? 僕に?」
「ええ。この度、婚約をすることになったものですから」
そう言ってエーファは、彼女の隣に並び立つ男性を見上げる。
僕は大きく目を見開いた。
「初めまして、シェイマス殿下」
そう口にするのは、神秘的な紫色の瞳をした美しい男だった。エーファはウットリと彼を見上げつつ、ほんのりと頬を染める。胸が痛くて堪らなかった。
「隣国の皇太子、イアン様ですわ。留学先で知り合いましたの。わたくしのような至らぬ女に、本当に良くしてくださって……」
「至らない所なんて何一つないよ。エーファはこの世の誰よりも素敵だ。君と婚約が出来て、俺は本当に幸せだと思っている」
エーファの薬指には、大きな宝石のあしらわれた指輪が光っていた。笑い合う二人の手は、傍から見ても固く結ばれている。