※追加更新終了【短編集】恋人になってくれませんか?
(なにこれ、全部あざとい可愛いんですけど!)
悪魔と呼ぶにはなんとも違和感のある愛らしい見た目、ラインナップだ。
もしかして、この男の趣味だろうか? 案外可愛いところもあるじゃない――――そう思っていたら、悪魔がジロリとこちらを見た。
「気をつけろ。俺の機嫌を損ねると、コイツらは容赦なく襲いかかってくるぞ」
どうやらあたしの思考を読んだらしい。悪魔の瞳がギラリと光る。
「――――でしょうね」
心の声さえ筒抜けなんて、前途多難だ。
思わずため息が漏れた。
部屋に通され、あたしは悪魔と向かい合って座る。
先程見かけた猫の小悪魔が、すぐにお茶と茶菓子を運んでくれた。見た限り普通――――人間が口にできそうではあるものの、ほんの少しだけ警戒してしまう。
悪魔はニヤリと笑みを浮かべ、それからそっと身を乗り出した。
「さて、アイナ。お前にはこれから、俺が指示した男を堕としてもらう」
自己紹介もしていないのに、男はあたしの名前を呼ぶ。
「――――指示した男ですって? 冗談言わないで。あたしは、あたしの復讐のために貴方と手を組んだんだけど」
「お前の目的など知ったことか。お前の全ては俺のもの。拒否権はない」
悪魔はそう言って、クックっと喉を鳴らして笑った。
悪魔と呼ぶにはなんとも違和感のある愛らしい見た目、ラインナップだ。
もしかして、この男の趣味だろうか? 案外可愛いところもあるじゃない――――そう思っていたら、悪魔がジロリとこちらを見た。
「気をつけろ。俺の機嫌を損ねると、コイツらは容赦なく襲いかかってくるぞ」
どうやらあたしの思考を読んだらしい。悪魔の瞳がギラリと光る。
「――――でしょうね」
心の声さえ筒抜けなんて、前途多難だ。
思わずため息が漏れた。
部屋に通され、あたしは悪魔と向かい合って座る。
先程見かけた猫の小悪魔が、すぐにお茶と茶菓子を運んでくれた。見た限り普通――――人間が口にできそうではあるものの、ほんの少しだけ警戒してしまう。
悪魔はニヤリと笑みを浮かべ、それからそっと身を乗り出した。
「さて、アイナ。お前にはこれから、俺が指示した男を堕としてもらう」
自己紹介もしていないのに、男はあたしの名前を呼ぶ。
「――――指示した男ですって? 冗談言わないで。あたしは、あたしの復讐のために貴方と手を組んだんだけど」
「お前の目的など知ったことか。お前の全ては俺のもの。拒否権はない」
悪魔はそう言って、クックっと喉を鳴らして笑った。